精油をお店で手に取ってみたとき、「これ、何かな?」と思う表示があることがあります。その一つは「抽出方法」です。

赤線の引いてあるところに書いてあるのが抽出方法です

赤線の引いてあるところに書いてあるのが抽出方法です

 

①錬金術師が発明した「水蒸気蒸留法」

多くは「水蒸気蒸留法」とあると思います。現在使われている水蒸気蒸留法の形は、ある錬金術師によって10世紀に開発されました。原型は5000年前のメソポタミア文明にまで遡り、ローマ時代にもよく利用されていた方法だそうです。

現在は装置も大型で複雑になっていますが、基本原理は変わっていません。簡単に説明すると「巨大な蒸し器の中で蒸気の熱と圧力により芳香成分が含まれる細胞壁が壊され、蒸気の中に放出された芳香成分を集める」というやり方です。

最終段階で残った水を「芳香蒸留水(ハイドロゾル)」と言い、化粧水や飲用に使います。精油により、蒸気の圧力・温度・所要時間がそれぞれ異なります。上手く蒸留するには、長年の経験も必要だそうです。

ラベンダーは「水蒸気蒸留法」で抽出されています

ラベンダーは「水蒸気蒸留法」で抽出されています

②比較的新しい方法です 「有機溶剤法」

次は「有機溶剤法」です。「溶剤抽出法」という表記の場合もあります。近年、あまり行われなくなったラード(牛脂・豚脂)を使って抽出する「冷浸法(アンフルラージュ法)」を工業的に実用化したものです。

ヘキサン、石油ベンゼン、エーテルなどの有機溶剤を使って芳香成分を抽出します。この方法で採られたローズやジャスミンなど花の芳香成分を「アブソリュート」、フランキンセンスやベンゾインなどの樹脂の芳香成分を「レジノイド」と呼び、水蒸気蒸留法で採られた精油と区別して呼ぶこともあります。

例えば、ローズの精油なら、水蒸気蒸留法で採られたローズは「ローズオットー」、有機溶剤法で採られたローズは「ローズアブソリュート」という表記になっていることが多いです。

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③ミカンの皮をむいた時にするヌルッとした感じ、あれが精油です 「圧搾法」

最後に「圧搾法」です。レモン、オレンジグレープフルーツなどの柑橘類の精油の抽出方法です。柑橘類は皮に芳香成分があるため、搾って抽出します。加熱はしないので、自然の香りのままです。

圧搾法で抽出されものは、正確には「精油」ではなく「エッセンス」と呼ばれます。高品質なものは果皮と果実を分け、果皮だけを圧搾してエッセンスを抽出します。

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香りと価格に差が出るアロマの「抽出方法」!

どんな方法で精油が抽出されているかは、どうでもいいようでそうでもありません。テスターのあるお店で是非試していただきたいのですが、香りの印象が違います。そして価格も違います。ベルガモットなどの光毒性を除去するために水蒸気蒸留法を用いているメーカーもありますで、試せる機会があれば是非お試しください。

 

もう一つの気になる表記はまた次回に。